読むだけでいい基本情報技術者試験対策12:記憶装置3ーライトスルー方式、ライトバック方式

今回はキャッシュメモリにデータを書き込む命令が実行されたときの、キャッシュメモリとメインメモリの動作について学んでいきます。

 

まず、ライトスルー方式です。

これは、キャッシュメモリにデータ書き込み命令が実行されたとき、キャッシュメモリの内容も、メインメモリの内容も変えてしまう方式です。これはキャッシュメモリとメインメモリの内容が同一なので、データの一貫性が保たれるというメリットがありますね。制御や回路も簡単になるというメリットがあります。しかし、これが仇となり、書き込み速度が落ちてしまいます。

 

次にライトバック方式です。

これは、キャッシュメモリだけをまず書き換え、一定量データが蓄積されたらメインメモリを書き換えるという方式です。単純に書き込み頻度が減るため、高速になりますが、一定の状況下ではキャッシュされたデータが消えることになります。

 

どちらの方式を採用しても、アクセスするデータはいずれかのメモリに必ず存在していることになります。

アクセスするデータがキャッシュメモリにある確率をヒット率といいます。ですので、メインメモリに存在する確率(NFP:Not Found Probabilityといいます)は(1-ヒット率)ですね。どちらのメモリでどれだけの速度でアクセスできるかが分かれば、これらを掛けることで、メインメモリへのアクセス時間キャッシュメモリへのアクセス時間が求まります。データはどちらかに必ずあるので、両者を足すと実際にアクセスにかかる時間が求められます。これを実行アクセス時間といいます。

ヒット率:r

キャッシュメモリアクセス時間:a

メインメモリのアクセス時間:b

とするなら

実行アクセス時間=a×r+b×(1-r)

となります。

 

ここまで、キャッシュメモリ、メインメモリ、ストレージという記憶装置を見てきましたが、アクセスの時間は次のようになっています。

 

レジスタ く キャッシュ く メイン く デスク く ストレージ(ハードディスク)

 

レジスタはCPUの中に作られるものなので一番早くて当たり前ですよね。

メインメモリはストレージからデータを引っ張ってくるので、ストレージへのアクセスが一番長くかかるのも納得行くでしょうか。

 

次回は記憶装置で唯一まで見ていないハードディスクを見ていきます。